外国人の日本への上陸と在留手続き ―ビザと在留資格― /
留学生が卒業後も引続き日本に在留する場合のビザ手続き
留学生が有している『留学』の在留資格は、外国人の方が日本の学校で教育を受ける場合に認められる在留資格です。
学校を卒業した場合には、『留学』の在留資格は認められないことになり、在留期間が残っていても帰国することが原則です。
留学生によっては引続き日本に在留することを希望する方もいますが、引続き日本に在留するためには、卒業後の日本での活動内容に応じた在留資格が必要です。
卒業後の在留資格とビザ手続き
卒業後も、引続き日本に在留することを希望する場合、卒業後の日本での活動内容によって、認められる在留資格も変わってきます。
卒業後の日本で以下のような活動を行う場合、在留資格の変更許可などの申請手続きが必要です。許可を受ければ引続き日本に在留することが可能です。
- 日本で進学する
- 日本で就職する
- 継続して日本で就職活動をする
日本で進学する場合
日本の学校に進学し、教育を受ける活動を行う場合です。この場合は、在留資格の変更は必要ありません。引続き『留学』の在留資格が認められることになります。
ただし、活動機関に関する『届出』は必要です。入学,卒業といった活動機関の変更から14日以内に『届出』を完了するようにしましょう。
進学後に在留期限を迎える場合は、在留期間更新の申請手続きを行います。
日本で就職する場合
日本での就職先が決まっている場合です。この場合は、就労が認められる在留資格(いわゆる就労ビザ)への変更の手続きが必要になります。
『留学』の在留資格のまま働くことは認められていません。就職先が決まっていたとしても、就労ビザへの変更が許可されるまでは、働くことはできないので注意が必要です。
就労が認められる在留資格(いわゆる就労ビザ)は従事する業務内容によって異なります。卒業後に従事する予定の業務内容に応じた在留資格に変更することが必要です。
ただし、変更許可の申請をしたからといって必ず許可されるわけではありません。従事する業務内容が申請した在留資格に該当しなければ許可されません。また、在留資格毎に定められている基準に適合していなければ許可されません。
在留資格の変更が許可されるまで1〜3か月程度の審査期間を要します。入社日までに間に合うように在留資格の変更許可の申請を行うよう、計画的に準備をして手続きをしましょう。
日本で就職活動する場合
卒業時点で就職先がまだ決まっていないが、日本での就職を希望し、就職活動を続けたい場合です。この場合は、在留資格『特定活動』への変更の手続きが必要です。
学校を卒業すれば、在留資格『留学』は認められません。そのまま『留学』を継続した状態で就職活動を行うこともできません。『特定活動』への変更が許可されれば、卒業後も日本で就職活動を継続することが可能です。
『特定活動』は継続して就職活動を行う場合に認められる在留資格です。従って、在学中から継続して就職活動を行っていることが、許可される要件の1つです。卒業後に就職活動を開始する場合は認められません。その他に、変更許可申請の際は、卒業直前まで在籍していた学校からの推薦が必要です。また、就職活動をしていたことを立証する資料も必要になります。企業の説明会資料や担当者とのメール等を残しておくようにしましょう。
変更が許可されれば、6か月の在留期間を得ることができます。更に1回の更新が可能で最長1年間、継続して就職活動を行うことができます。また、資格外活動の許可を受ければ、アルバイトも可能です。
入社まで待機
その他に、就職先が内定し、入社まで引続き日本に滞在したい場合です。就職先は内定しているが学校卒業後あるいは、在留資格『特定活動』をもって継続就職活動中に採用が決まった後、入社まで期間があくことがあります。この場合には、本国に帰国し、在留資格認定証明書を取得して入社に合わせて日本に入国することが原則です。
留学生によっては採用決定後、入社まで引続き日本に滞在することを希望する場合があります。この場合には、在留資格『特定活動』を取得すれば、入社まで日本に滞在することが可能です。しかし、申請すれば必ず取得できるわけではありません。そもそも取得の申請ができるのは、在留資格『留学』あるいは、継続就職活動を目的とした『特定活動』の在留資格をもって滞在している留学生,元留学生に限ります。その他には、内定後1年以内かつ卒業後1年6ヶ月以内に採用されること,内定先での業務内容が就労系の在留資格への変更が見込まれるものといったような要件があります。
注意ですが、継続就職活動を目的とした『特定活動』の在留資格をもって滞在している方が、入社まで待機するための在留資格『特定活動』を取得する際は、在留期間更新許可の申請ではなく、在留資格変更許可の申請を行うことになります。
また、継続就職活動と同様に、資格外活動の許可を受ければ、アルバイトも可能です。