資格外活動の許可制度 ―包括許可と個別許可―

外国人が日本で活動するための上陸,在留手続きについて資格外活動の許可制度 ―包括許可と個別許可―

 

資格外活動の許可とは、現に有している在留資格に属さない収入を伴う活動(アルバイトなど)を行おうとする場合に必要となる許可です。外国人が働くためには就労ビザ(就労することが認められている在留資格)が必要ですが、就労ビザがなくても働くことができる場合があります。在留資格『留学』や『家族滞在』を有している方も利用できる資格外活動許可の制度です。この制度を利用することで、あらかじめ許可された就労活動を行うことが可能になります。ただし、許可を得ればどんな活動でもできるわけではありません。資格外活動許可には個別許可と包括許可の2種類があり、個別許可は、単純労働(いわゆるアルバイト)と呼ばれるような業務に就くことはできませんし、そもそも許可されません。他方、包括許可はアルバイトのような単純作業に就くことも可能です。

資格外活動の種類

資格外活動の許可は以下のような2種類があります。

  • 1.包括許可
  • 2.個別許可
包括許可

1週間について28時間以内の就労で、行う活動内容や勤務先などを定めずに許可を受けることができます。いわゆるアルバイト的な就労が想定され、勤務先が決まっていなくても申請することができます。ただし、誰でも申請できるわけではなく、次のような在留資格を有する人が対象です。

  • 在留資格『留学』を有する者
  • 在留資格『家族滞在』を有する者
  • 外国人の配偶者若しくは子、又はそれに準ずる者として扶養を受ける者として行う日常的な活動を指定されて在留する在留資格『特定活動』を有する者
  • 継続就職活動又は内定後就職までの在留を目的とする在留資格『特定活動』を有する者
  • 地方公共団体等との雇用契約により活動する在留資格『教育』,『技術・人文知識・国際業務』または、『技能(スポーツインストラクターに限る)』を有する者
個別許可

包括許可の範囲外の活動に従事する場合や、就労可能な在留資格を有する者が、他の就労可能な在留資格に該当する活動を行う場合に申請します。許可要件の全てに適合する必要があります。包括許可と異なり、勤務先や活動内容その他必要な事項を定めて個々に許可されます。個別許可の例としては、以下のような例があります。

  • 大学で活動する『教授』の在留資格の方が民間企業で語学講師として活動する場合(『技術・人文知識・国際業務』の在留資格に該当する活動を行う場合)
  • 個人事業主として活動する場合や客観的に稼働時間を確認することが困難である活動に従事する場合
留学生について

在留資格『留学』を有する留学生は1週間に28時間以内の「包括許可」を受けることが一般的ですが、以下の要件のいずれかに該当する場合は1週間について28時間を超えて活動できる「個別許可」を申請することができます。

  • 留学生が就業体験を目的とするインターンシップに従事するとして週28時間を超える資格外活動に従事する場合
  • 申請に係る活動が語学講師,通訳,家庭教師その他留学生と密接な関係にある職種であること
  • 社会通念上学生が通常行っているアルバイトの範囲内である職種であること
  • 本邦での起業を目的とした準備活動であること
資格外活動許可の要件(一般原則)

許可を得るには、以下の要件のいづれにも適合することが必要です。

  • 1.資格外活動に従事することにより現に有する在留資格の活動の遂行が妨げられないこと。
  • 2.現に有する在留資格の活動を行っていること。
  • 3.資格外活動許可の申請に係る活動が入管法別表第一の一の表又は、二の表の在留資格の下欄に揚げる活動(『特定技能』及び『技能実習』を除く)に該当すること。
    (包括許可については、当該要件は求められません)
  • 4.資格外活動許可の申請に係る活動が法令違反や風営法に該当するものでないこと。
  • 5.収容令書の発付又は、意見聴取通知書の送達若しくは通知を受けていないこと。
  • 6.素行が不良でないこと。
  • 7.本邦の公私の機関との契約に基づく在留資格に該当する活動を行っている者については、当該機関が資格外活動を行うことについて同意していること。

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行政書士オフィス辻下

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