家族滞在ビザの知っておきたい要件と申請手続きの流れ

家族滞在ビザの申請家族滞在ビザの知っておきたい要件と申請手続きの流れ

 

家族滞在ビザ(在留資格『家族滞在』)の概要

家族滞在ビザ(在留資格『家族滞在』)とは、就労や留学の在留資格を有している外国人(扶養者)の配偶者及び子が扶養を受けて日常的な活動をするための在留資格です。就労の具体的な在留資格は、『教授』,『芸術』,『宗教』,『報道』,『高度専門職』,『経営・管理』,『法律・会計業務』,『医療』,『研究』,『教育』,『技術・人文知識・国際業務』,『企業内転勤』,『介護』,『興行』,『技能』,『文化活動』,『特定技能2号』の在留資格が該当します。

家族の範囲

家族滞在の「家族」は扶養者の配偶者又は子が該当します。父母などの配偶者又は子以外の家族は家族滞在ビザの対象にはなりません。

扶養を受けて行う日常的な活動

日常的な活動とは、いわゆる家事や学校での勉学が該当し、就労することは原則できません。

そもそも在留資格とは ―ビザ(査証)と在留資格―

世間では、在留資格のことをビザと呼んだりしますが、正確には在留資格=ビザではありません。ビザ(査証)は、日本に上陸(入国)するための通行証のようなものです。「上陸目的などを事前にチェックした結果、上陸しても差支えないと判断しました。」と、上陸の審査にあたる入国審査官に対して、紹介する文書のようなものです。ただ、ビザ(査証)=上陸許可ではありません。ビザ(査証)の発給を受けていても(紹介する文書があっても)、入国審査官の審査の結果、他の上陸許可の要件を満たしていない場合、許可されない場合もあり得ます。
一方、在留資格は、日本に在留する(滞在して留まる)ための法的地位,資格のようなもので、外国人が日本に滞在して行うことができる活動の種類を類型化したもので様々な種類があります。様々な目的で来日し、日本で活動しようとする外国人は、この在留資格と在留期間を与えられ、この資格と期間に基づいて日本に滞在し、活動することになります。言い方を変えれば、類型化して定められた在留資格のいずれかに対応する活動に該当しなければ、この在留資格を得ることはできません。学校で勉強をするのであれば「留学」という在留資格を得る必要があります。働いて収入を得るのであれば、仕事の種類や内容等活動の目的に合った在留資格を取得する必要があります。働くことを内容とする様々な在留資格(就労が認められる在留資格)を俗称ですが、世間一般では、まとめて就労ビザと呼ぶことがあります。

家族滞在ビザの申請要件と手続の流れ

ビザ申請の要件

配偶者や子供を家族滞在ビザで呼び寄せるため、申請時に押さえるべき要件は以下のようなのもがあります。

  1. 法律上の婚姻関係,親子関係が適切であること。
  2. 扶養者には扶養する経済力(収入や資産)があり、被扶養者には扶養される意思とその実態(同居など)があること。
  3. 被扶養者は扶養をうけて活動(日常生活)すること。(就労目的ではない。)

ここでの配偶者とは、法律婚の配偶者のみです。内縁関係や婚約中は対象となりません。また、子には実子以外に養子や認知した子も含まれます。いずれも、その家族関係が証明できることが必要です。また、扶養される意思とその実態があるとは、経済的に扶養者に依存し、同居するための適切な住居が確保されていて、同居していることが原則です。

子について
提出が必要となる書類

在留資格認定証明書交付申請書,写真,返信用封用の申請書類に加えて、上記の要件を満たしていることを立証する資料を提出します。具体的には、以下のような資料が必要です。

  • 申請者(呼び寄せる家族)と扶養者との家族関係を証明する文書
    • 戸籍謄本,婚姻届受理証明書,結婚証明書(写し),出生証明書(写し),これらに準ずる文書のいずれか適宜
  • 扶養者の在留カード又は、旅券(パスポート)の写し
  • 扶養者の職業及び収入を証明する文書
    • 扶養者が収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行っている場合、在職証明書又は営業許可書の写し等、住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書
    • その他の活動の場合、扶養者名義の預金残高証明書又は給付金額及び給付期間を明示した奨学金給付に関する証明書、その他申請人の生活費を支弁できることを証明するものを適宜

上記以外にも、申請人,扶養者の状況に応じて要件を満たしていることを立証するのに必要と考えられる資料を提出します。特に在留資格『留学』で留学中の方が、家族を呼び寄せたいとお考えの方はご注意ください。在留資格『家族滞在』は扶養を受けて同居することが前提で、原則就労することはできません。また、留学生も原則就労ができません。この場合、預貯金残高や身内からの仕送りなど生活費を支弁できることを立証しなければ許可はもらえません。

手続の流れ

海外ら呼び寄せるには、既に日本国内にいる外国人が、出入国在留管理局で家族滞在ビザ(在留資格『家族滞在』)の在留資格認定証明書を取得して家族に郵送し、本国の家族が日本大使館や領事館に在留資格認定証明書を持参してビザを取得します。申請から入国までの手続の流れは以下のようになります。

  • 1.家族滞在の在留資格認定証明書の交付申請
  • 2,在留資格認定証明書を家族に送付
  • 3.本国の家族が日本大使館や領事館に在留資格認定証明書を持参してビザ(査証)の発給申請
  • 4.ビザ(査証)の発給後、渡日
  • 5.日本で上陸審査を受けて入国

ご自身での手続に自信がない、あるいは時間が取れないなどお困りがあれば、ご相談ください

ご相談,お問い合わせ

家族を呼び寄せたいなど、家族滞在ビザ申請,在留手続きについて専門家に聞いてみたいとお考えの方は、お気軽にお問い合わせ、ご相談ください。

家族滞在ビザの申請や手続き等で困り事はありませんか?。専門家への相談が近道です。

留学生や就労ビザをお持ちの方それぞれの在留状況に応じた必要書類を調べることや、不慣れな申請書類作成には時間と労力がかかります。在留手続きの申請ごとに必要となる書類を見極め、適切な書類を選定し、許可要件を満たしていることを法律に基づき論理的かつ合理的に説明した資料を作成し、説明不足による不許可リスクを低減します。当オフィスでも申請書類作成から申請手続きまで一括して代行いたします。

行政書士オフィス辻下

電話番号営業時間 9:30〜17:30(土・日・祝祭日 休

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