

― 行政書士による「予防法務」―
「友人にお金を貸すことになった」「立て替えたお金を後から返してもらう約束をした」「家族で親の介護費用を分担することになった」「知人にペットを譲ることになった」「同棲や共同生活を始めるので、お金の負担について決めておきたい」「話し合いによって問題が解決したので、決まったことを残しておきたい」暮らしの中では、さまざまな約束や取り決めが行われています。そのすべてについて契約書や合意書を作成する必要があるわけではありません。
しかし、「今はお互い分かっているから大丈夫」と思っていたことが、数か月後、数年後にも同じように理解されているとは限りません。大切なのは、難しい法律文書を作ることではありません。「何を約束したのか」を、お互いが後から確認できる状態にしておくこと。それも、将来のトラブルを防ぐための一つの方法です。
当オフィスでは、暮らしの中の約束や取り決めについて、「これは書面にしておいた方がよいのだろうか?」という段階からご相談いただけます。書面を作成することになった場合には、内容に応じて、合意書・覚書・念書・契約書などの文案作成をサポートします。
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契約書というと、「会社同士の取引で作るもの」「不動産を売買するときに作るもの」「大きなお金が動くときに作るもの」というイメージがあるかもしれません。しかし、日常生活の中にも、後から確認できるように書面にしておくことを検討した方がよい約束があります。例えば、
「来月から毎月少しずつ返す」
という約束。お互いが納得しているのであれば、その時点では問題がないかもしれません。しかし半年後、「毎月3万円ずつ返す約束だった」「いや、余裕がある月に返せばいいという話だった」という認識の違いが生じる可能性があります。また、
「退去するときには、この家具は私が持っていく」
と話していたとしても、数年後に同棲を解消するとき、その約束を双方が同じように覚えているとは限りません。親しい人との約束ほど、「わざわざ書面にするほどではない」と考えがちです。しかし、書面を作ることは、必ずしも相手を疑うことではありません。現在のお互いの認識を確認し、将来も確認できる状態にしておく。そのために書面を利用するという考え方があります。
契約は、原則として契約書を作成しなければ成立しないというものではありません。当事者双方が一定の内容について合意することで成立する契約もあります。だからといって、「契約書を作らなくても契約は成立する」=「書面を作る意味がない」ということではありません。
口頭だけの約束では、時間が経過したときに、「そもそも約束したのか」「何を約束したのか」「金額はいくらだったのか」「いつまでに行う約束だったのか」「条件が付いていたのか」といった点について認識が食い違うことがあります。書面にしておけば、少なくとも、その時点で当事者が何を確認し、何について合意したのかを後から確認しやすくなります。書面化には、「約束の存在を残す」という意味だけでなく、「約束の中身を具体的にする」という意味があります。
口約束についてよく問題になるのが、「言った・言わない」という違いです。しかし、実際に考えておきたいのは、それだけではありません。約束したこと自体には双方が納得していても、約束の具体的な内容について認識が違うことがあります。例えば、
「50万円を返す」
ことについて双方が合意していたとします。それでも、
については、別の問題です。つまり、「約束したかどうか」だけではなく、「どのような約束をしたのか」を明確にすることが重要です。
すべての約束について書面を作る必要はありません。一方、次のような特徴がある約束については、一度「書面にしておいた方がよいか」を考えてみてもよいでしょう。
金銭の貸し借り、立替金、費用負担、分割払いなどです。金額だけではなく、誰が、誰に、いくら、いつまでに、どのような方法で支払うのかまで確認しておくことが重要です。
数か月、数年と続く約束では、約束した当時の記憶が薄れていくことがあります。現在は当然だと思っていることでも、時間が経過すると認識が変わる可能性があります。長期間続く約束ほど、後から確認できる形にしておく意味があります。
「来年返す」「退去するときに返還する」「一定の出来事が起きたら支払う」など、約束した時点と実際に履行する時点が離れている場合です。履行する時期になってから、「そんな条件ではなかった」とならないよう、現在の合意内容を確認できるようにしておくことを検討します。
「○○した場合には△△する」「○月までに○○できなければ△△する」など、条件が増えるほど口頭だけでは内容が複雑になります。複数の条件がある場合には、どの条件が成立したときに、誰にどのような義務が生じるのかを整理しておくことが重要です。
お金、住居、財産、大切な物品などに関する約束は、守られなかった場合の影響も大きくなることがあります。「もし守られなかったら困る」と感じる約束であれば、口約束のままでよいのか、一度考えてみることも大切です。
予防法務は、会社や事業者だけのものではありません。日常生活にも、書面化を検討できる場面があります。
例えば、
などがあります。特に親しい人との金銭関係では、「細かいことまで決めると関係が悪くなりそう」と考えることがあります。しかし、お金について曖昧な部分を残したことが、後から関係を悪くする原因になることも考えられます。
家族だから書面は必要ない、と考えることもあります。しかし、
など、長期間にわたる取り決めでは、後から認識の違いが生じることがあります。家族間であっても、必要に応じて「何を決めたのか」を確認できる形にしておくことを検討できます。
一緒に生活すると、
など、さまざまなお金や物の問題が発生します。生活を始めるときには問題にならなくても、共同生活を終了するときに問題になることがあります。
知人にペットを譲る。高価な物を貸す。共同で購入した物を一方が使用する。こうした場合にも、「誰の物なのか」「返す必要があるのか」「費用を誰が負担するのか」などを確認しておいた方がよい場合があります。
契約や共同生活などを始めるときだけでなく、終わらせるときにも書面が役立つ場合があります。例えば、
といった場面です。「これで終わり」という認識だけではなく、何を行えば今回の関係が終了するのかを具体的に確認しておくことが大切です。
「契約書を作ろう」と言うと、「信用されていないのではないか」と思われることを心配する方もいます。しかし、書面を作る目的は相手を疑うことだけではありません。例えば、「私はこういう意味だと思っていた」「私は違う意味だと思っていた」という認識の違いは、悪意がなくても起こります。そこで、現在、お互いがどのような内容について合意しているのかを確認します。
書面を作る過程で、「ここはまだ決めていなかった」「この場合についても決めておこう」と気付くこともあります。書面を作ることを、相手を疑うためではなく、お互いの認識を確認するための作業と考える。それが予防法務の一つの考え方です。
契約書や合意書を一枚作れば、将来のトラブルがすべてなくなるわけではありません。重要なのは、「契約書があること」だけではなく、「何について合意したのかが明確になっていること」です。書面を作る前に、
といったことを確認します。そのうえで、必要な内容を書面として整理します。「書類を作るために約束を整理する。」その作業自体が、将来の認識の違いを減らすことにつながります。
例えば、口頭で、「50万円を毎月少しずつ返す」と決めたとします。書面にするのであれば、もう少し具体的に確認する必要があります。例えば、
などです。本人同士では「決まっている」と思っていても、書面にしようとすると決まっていないことが見つかることがあります。当オフィスでは、このような内容を確認しながら、必要に応じて書面化する事項を整理します。
約束を書面にしたいと思っても、「合意書?」「念書?」「覚書?」「契約書?」と迷うことがあります。しかし、ご相談前に書類名を決めていただく必要はありません。重要なのは、「何という名前の書類を作るか」より、「何について、どのような内容を書面にしたいのか」です。
当事者双方で決めたことを合意書としてまとめる場合もあれば、既存の契約について追加・変更した事項を覚書として整理する場合もあります。また、内容によっては借用書、債務承認弁済契約書、契約解除合意書、和解契約書など、より具体的な書類を検討することもあります。
当オフィスで作成している書類、文案作成サービスの内容、料金、ご依頼の流れについては、こちらで詳しくご案内しています。
トラブルが起きてから、「何を約束したのか」「誰が何をすることになっていたのか」を確認しようとしても、双方の認識がすでに異なっていることがあります。そこで、問題が起きてから争うのではなく、問題が起きる前に約束を整理しておく。これが「予防法務」という考え方です。例えば、
暮らしの中の小さな約束についても、「後から困らないために、今できることはないか」という視点から考えることができます。
行政書士は、契約書などの権利義務に関する書類の作成や、その作成に関する相談を取り扱う専門家です。当オフィスでは、個人のお客様を対象として、当事者間で決まっている内容を整理し、必要な法律文書の文案を作成することを中心にサポートしています。単に、「50万円を返します」という文章を書くのではありません。誰が、誰に、いつまでに、どのような方法で返すのか。そのような事項を確認し、書面全体として意味が分かるように文案を構成します。
なお、相手方との間で金額や条件そのものについて争いがあり、交渉による紛争解決が必要となっている場合とは区別して、ご相談内容を確認します。
「契約書を作るほどのことなのか分からない」「家族との約束なので、書面にするべきか迷っている」「相手との関係を悪くしたくない」「口約束だけでは少し不安」「書面を作るとしても、何を書けばよいのか分からない」そのような段階でも構いません。まずは、誰と、何について、どのような約束をしているのかをお聞かせください。
書面化を検討する場合には、現在決まっていることを整理し、必要となる書類についてご案内します。すでに「合意書を作りたい」「念書を作りたい」と決まっている必要はありません。「この約束は、書面にしておいた方がよいだろうか?」そこから予防法務は始まります。
暮らしの中の約束は、契約を結んだその日だけのものではありません。数か月後、数年後に、「あのとき、何を約束したのか」を確認する必要が生じることがあります。だからこそ、重要な約束については、双方の認識が一致している今のうちに、確認できる形にしておくという方法があります。
当オフィスでは、「書面を作るべきか分からない」という段階からご相談をお受けしています。書面作成が必要となる場合には、合意書・念書・覚書・契約書など、内容に応じた文案作成をご提案します。
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借用書は通常、借主側のみが署名,押印するのに対して、金銭消費貸借契約書は借主側,貸主側双方が署名,押印します。借用書や金銭消費貸借契約書を作成する場合、ポイントは、返す約束をしたこと、借主が金銭を受領済であることの明記です。

契約解除の合意書を作成する場合としては、契約を解除することについて当事者双方が納得して合意していることを前提として作成されます。ですが、契約関係を明確にする意味でも、解除する契約の特定と清算条項をポイントとして書面を作成した方が後々のトラブルの防止になります。

お金を貸した後から作成するのが債務承認弁済契約書と呼ばれる書類です。お金を貸すときに書類など作成せずに貸したけど、約束の時期になってもなかなか返してくれないなど、不安があるのであらためて書類を作成したいときに作成します。後から作成しても法的問題はありません。

和解契約書とは和解契約で合意した内容を書面にしたものです。書き方の基本は、「当事者」(誰と誰が),「日付」(いつ),「事実関係」(どんな争いがあって),「和解内容」(話し合いでどのように解決するか)です。和解契約とは、当事者双方が話し合いで互いに譲歩して、その間にある争いを止めることを約束する契約のことをいいます。

個人的なやり取りにおいて、約束した証拠として又は、事実を確認した証拠として交わされることが多い念書。念書に関して、作成する場面、契約書、合意書、覚書等の書類との違いや法的効力、書き方について。

行政書士 辻下仁雄
大学で応用数学を学びSEとしてIT関連企業に勤務。2017年行政書士事務所を開業、現在に至る。
神戸市で行政書士事務所を開設している行政書士オフィス辻下の辻下仁雄です。論理的な構成と実務的で説得力ある書類作成を心がけております。ご依頼者一人ひとりに合わせたオーダーメイド対応で画一的なテンプレートではなく個別最適化された書類をご提案致します。細やかな条件がからむ案件でもご相談ください。
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代表 行政書士 辻下仁雄
Profile
大学で応用数学を学び、システムエンジニアとしてIT関連企業に勤務。2017年行政書士事務所を開業し現在に至る。
申請取次行政書士 2級ファイナンシャルプランニング技能士