和解契約とは、当事者が互いに譲歩して、その間にある紛争を止めることを約束する契約のことをいい、その約束した内容を書面にしたものを和解契約書や和解合意書あるいは示談書や単に合意書などといいます。書面のタイトルはあまり気にする必要はありません。どのようなタイトルであっても、その書面の効力は変わりません。その内容が重要になります。書き方の基本は「当事者」(誰と誰が),「日付」(いつ),「事実関係」(どんなトラブル,紛争,争いがあって),「和解の内容」(話し合いの結果どのように解決するか)をきっちりと決め、正しく書面に記載するこです。
和解契約の内容を記載した書面のこと、和解契約書や和解合意書あるいは示談書や単に合意書などといいます。
そもそも和解契約とは、当事者双方が互いに譲歩して、その間にある紛争を止めることを約束する契約です。和解契約とされるためには、紛争が存在している必要があり、その紛争を双方が互いに譲歩して解決することが必要です。和解契約の成立に書面は必要ありません、口約束でも和解契約は成立します。和解契約が成立すると原則、解決した紛争を後から蒸し返すことができません。書面は必要ありませんが、後々のトラブル防止のため、合意に至った場合には少しでも早く書面を作成しておくことが大切です。
紛争には、いろいろな場面が想定されます。例えば、交通事故による損害賠償に関する取り決めであるとか、窃盗や傷害といった行為による被害についての弁償であるとか、貸金債権の残額,支払時期について争いが有る場合や、未払いの賃金や隣地との所有権の範囲など、一定の法律関係に関する争いを前提に、お互いに譲歩して解決することが内容となっていれば、法律的に和解契約となります。
当事者の間にある紛争をどのように止めるかを記載します。決まった書式などはありませんが、上述の和解契約の内容を鑑みて基本となる内容は「当事者」,「日付」,「紛争の事実関係」,「和解の内容」などです。その他に、特有のものとして「清算条項」があります。
例えば、「紛争の事実関係」として、紛争となっている内容,範囲を明確にし、具体的事実に即して特定します。どのように解決するかについて合意しているわけですから、交渉の経過は必要ありません。通常は、前文において、当事者,日時,場所,争いの概要・態様などを簡潔に記載します。
「和解の内容」については、法律上の権利・義務に絞って簡潔に記載します。金銭の支払いで解決する場合などは簡潔に以下のように記載します。
第○○条 和解金(示談金としても良いですが)の支払い
1 乙は甲に対し、その和解金として金○○○円の支払い義務がることを認める。
2 乙は甲に対し、前項の金員を○○年○○月○○日限り、甲の指定する金融機関の口座に振り込む方法で支払う。
紳士条項のようなものとして、謝罪の意思を表明させたりすることもありますが、法律上は意味はありません。
「清算条項」ですが、そもそも和解契約が成立すれば、後日、和解した内容と異なる確証が出てきても、相互に和解内容を蒸し返すことはできません。紛争の解決を目的とした和解契約の当然の効果です。
第○○条 清算条項
甲及び乙は、本契約書に定めるほか、本件に関して甲乙間に何らの債権債務がないことを相互に確認する。
と記載されることが広く行われています。
和解においては、紛争の内容によって最終的な和解の合意に至るまで時間を要する場合もあります。話し合いの過程で最終的な結論がまだでも途中で決まったことのみを書面にしておくことは大切です。条件の一部については合意を得ているが最終的な合意はまだの場合、その後の話し合いの過程で、白紙撤回,破談となる可能性は残ります。そのようなリスクを回避するため、一部の合意,確認ができた条件のみを明記して書面を作成し、相互に署名又は記名・押印をしておくことです。
甲及び乙は和解金に関し、以下の通り合意したことを確認する
第○○条 和解金(示談金としても良いですが)の支払い
1 乙は甲に対し、その和解金として金○○○円の支払い義務がることを認める。
支払方法,期限などその他の事項の詳細については、甲乙相互に誠意をもって引き続き協議する。
○○年○○月○○日
甲 印
乙 印
などです。
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甲南大学理学部卒業 応用数学を学びSEとしてIT関連企業に勤務。2017年行政書士事務所を開業、現在に至る。
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