念書の具体的な作成例

プライベートで役立つ法律文書作成念書の具体的な作成例

 

念書の書き方として決まった書式などはありません。ありませんが、次のよう項目を盛り込んで作成します。「約束の履行者の氏名」、「約束を履行される人の氏名」、「履行する年月日」、「履行する場所」、「履行方法、手段」、「約束の内容」、「念書作成日」、「作成者の署名と押印」。内容は、「いつ何をして」、「どういう約束だったか」、「それがどうなったか」、「それでどうするのか」といったことを書きます。



借入金返済に関する念書の例

@念書

A平成〇〇年〇〇月〇〇日

B〇〇  〇〇殿

C住所                   

D氏名                印

借入金返済
E貴殿より平成△△年△△月△△日に完済する約束で平成□□年□□月□□日に借用しました金50万円の返済が遅れてしまい大変申し訳ありません。
F元利金合計51万円は以下の通り必ずお支払い致します。
平成〇〇年〇〇月〇〇日限り  金〇〇円
平成〇〇年〇〇月〇〇日限り  金〇〇円

以上


後日の証として本念書を差し入れます。

@はタイトルです。「念書」にしなければならないといった決まりはないですが、わかりやすいので「念書」にしておきます。
Aは念書作成日
Bは約束を履行される人の氏名
CDは作成者(=約束の履行者)の住所、氏名、署名と押印です。
Eは「いつ(=平成□□年□□月□□日)」「どんな約束で(=平成△△年△△月△△日に完済する約束)」「何をした(=金50万円を借用)」「それがどうなった(=返済が遅れた)」
Fは「それでどうするのか(=2回に分けて返済)」
「履行方法、手段」「履行する場所」等は記載していないので、返済金を持参するのが基本ですが、返済が口座振り込みであれば、振り込みによる返済と記載し、振込先の口座名も記載しておきます。


家族生活に関する念書の例

@念書

A平成〇〇年〇〇月〇〇日

B〇〇  〇〇殿

C住所                   

D氏名                印

E私は○○年○○月○○日、貴殿に対しF○○などの暴言を吐くなどしました。私の行為により、貴殿に精神的苦痛を与えてしまったことを大変反省しています。本当に申し訳ありませんでした。
G今後二度と同様の行為を繰り返さないことを誓約するとともに、もし同様の行為をした場合には、貴殿の要求に応じてH○○に応じることに同意します。

@はタイトルです。「念書」にしなければならないといった決まりはないですが、わかりやすいので「念書」にしておきます。
Aは念書作成日
Bは約束を履行される人の氏名
CDは作成者(=約束の履行者)の住所、氏名、署名と押印です。
Eは「いつ(=〇〇年○○月○○日)」
Fは「何をした(=暴言を吐いた)○○は具体的な暴言の内容等」
Gは「それでどうするのか(=二度と同様の行為を繰り返さないことを約束)」
H「約束を破ったときはどうするのか(=離婚,別居などの話し合いに誠意をもって応じる等)」


念書の表題(タイトル)について

先ほどの作成例でタイトルを「念書」としましたが、「念書」というタイトル(言葉)には「何か怪しい雰囲気の響きがあり、何となく使いたくない」という場合、タイトルは「誓約書」でも「確認書」でも問題はありません。重要なのは記載内容で、そこに書かれている内容の事実が当事者に帰属します。



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