契約書作成時の署名と記名押印の違い
契約書作成時、法律上は署名で十分ですが、記名押印の方が実際的に使われています。合意書,覚書,念書などの他の権利義務書類についても同様ですが、その違いと法律上の意味など、契約書などの書類作成前に知っておきたい基礎知識。
 
ホーム契約書の署名と記名押印の違い
 

法律上は署名で十分です、が、記名押印の方が一般的に運用されています。その違いは?

署名と記名押印

署名は本人自ら自分の氏名を書いて、その書面の成立の真正であることを明らかにします。通常、「サイン」という言葉で代用されることもあります。記名とは、単に姓名が書かれてあるということにすぎず、それだけでは何らの法律上の意味は生じません。記名はタイプされていたり、本人以外の者が書いたり、あらかじめ印刷されていたりする場合があります。記名の後に印を押すことによって、法律上の意味が生じます。実際には、記名押印が広く行われていますが、記名押印は法律上は署名の代用として認められているものです。
契約書の署名
法律上、私文書は本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定するとあります。万一、後日契約に関してトラブルとなり裁判にでもなった場合、署名(記名押印)のある書類は高い証拠力を有することになります。

契約書などの署名の重要性

な契約書や合意書などには記名押印ではなく、署名押印を求めるべきです。署名によって、作成した書類が偽造ではないこと、真正に成立したことを証明することができます。署名と実印の押印との両者を併用することが望ましいです。署名(記名押印)することによって、署名(記名押印)した人の意思に基づいて契約書などの書面が作成されたことが強く推定されます。大事なことは、その人の意思に基づいて作成されたことです。

 

契約書などの書類本文については、自筆手書きである必要はなく、印刷,タイプであっても効力は変わりません。大事なのは、ある人の意思に基づいて作成されたことが必要であって、ある人が実際に筆記したことが必要ではありません。自筆で署名することは、書類本文の内容が、その人の意思に基づいて作成されたことを推定させます。

契約書など書面の証拠能力

細かいことを言えば、例えば売買契約に関して、法的には合意のみで契約が成立することになっているので、原則として、契約書のような書類を作成し、署名や記名押印をすることは必要とされていません。ですが、万一当事者間の紛争が裁判に発展した場合には、当事者の署名(記名押印)がある契約書などの書類は裁判上の証拠能力を確保でき、また、当事者間の法律関係を明確にすることができます。その意味では署名(記名押印)は重要な要素です。

簡易な内容であれば、メール,電話のみで解決する場合もございます。まずは、ご相談,お問い合わせください。ご相談内容によって費用が発生する場合は、別途お見積りいたします。その場での判断・返答は必要ございません。十分ご検討の上、連絡ください。

関連記事

契約書,合意書など権利義務に関する書類


契約内容の基本となるチェックポイント

契約書や合意書の作成で大切な契約の当事者

原本,正本,謄本,写しなど
契約書関連書類の法律上の差異と効力

契約書や合意書,念書など
書類のタイトルの違いと法的効力について

その他、よく読まれている記事

借用書など金銭貸借に関する契約書等の書き方

お金を貸した後から作成する債務承認弁済契約書

業務委託契約の解除合意書の条項例

合意書や覚書の具体的な作成例


念書を書く場面とその効力や書き方

和解契約(和解の合意書)の書き方

仮契約の法的効力

利用規約や同意書
書き方と作成する時のポイント